杖道とは
全剣連杖道

全日本剣道連盟杖道(以下、杖道)は、日本の伝統武術である杖術(神道夢想流杖術)を元に昭和43年に制定された現代武道です。杖道では、約128センチメートルの木製の杖(じょう)を用いて、刀(木刀)による相手の攻撃を受け流しつつ反撃する技術を修練します。杖道では現代の武道としての練習方法や競技形式が整備されています。
杖道の稽古では、杖を使う側(仕杖)と木刀を使う側(打太刀)が対峙し、形と呼ばれる決められた技の一連の動作を通じて技術を磨きます。12本の基本と、12本の形が存在し、各形には体で捌く、杖で受け流す・返す・打つ・突くといった流れるような動作が含まれています。精神修養を重視し、心身の調和とともに、相手との間合いや間(タイミング)の重要性を理解することを目指します。
また、杖道は武道としての鍛錬だけでなく、身体の健康維持や護身術としても注目され、幅広い年齢層に支持されています。
杖道の魅力
全日本剣道連盟杖道は、安全性にも考慮されており、年齢や体格、男女に関係なく学ぶことができる武術です。形の稽古が中心なので、特別の体力や運動能力は必要としません。それでいて、修練を積むごとに技の妙味を感ずる度合いが深まり、飽きることはありません。
杖道を学ぶ目的とその効果
杖道は精神の修行と身体の鍛錬を第一義とする。決して手足の技ではなく心の技で、その目的は精神修養にある。
杖道修練の効果は数多いが、主として次の5点をあげることができる。
1.礼儀、信義、誠実、忍耐等の精神が養われる。
2.身体を強健にし、活動を敏活にする。
3.姿勢態度がよくなる。
4.判断力、決断力が養われ、自信を持って事に当たれるようになる。
5.対人関係がよくなり、社会生活に必要な協調性が養われる。
全日本剣道連連盟杖道(解説)第3版 より引用
発行:全日本剣道連盟(平成29年)
使用する用具
杖
【杖の規格】
-
長さ:128㎝ (4尺2寸1分)
-
直径:2.4㎝ (8分)
-
材質:白樫
※注意 赤樫の杖は強度の関係上、規定によって禁止されています。

鍔・鍔止め
【鍔の規格】
-
革鍔 (革製の鍔)
-
鍔止め (ゴム製の鍔抜け防止具)
※注意 プラスティック製の鍔は強度の関係上、規定によって禁止されています。

袴
-
剣道袴 (一般的に綿製の袴)
-
色:紺色または、白色
※注意 袴の色は胴着の色と同一色の物を使用。

太刀(木刀)
【太刀(木刀)の規格】
-
長さ(全長):101.5㎝ (3尺3寸5分)
-
柄の長さ:24.2㎝ (8寸)
-
材質:白樫
※注意 赤樫の太刀(木刀)は強度の関係上、規定によって禁止されています。

胴着
-
剣道着 (一般的に綿製の剣道着)
-
色:紺色または白色
※注意 胴着の色は袴の色と同一色の物を使用。

帯
-
下帯 (居合帯、角帯など)
※注意 柔道、空手、合気道などの帯とは違いますので御注意下さい。

杖道に興味のある方、これから始めたい方の参考に、杖道で使われる武器と着装品を掲載しました。入門時に全て揃える必要は必ずしもありませんが、具体的には個々の団体や道場にお問い合わせください。